醸造所のこと
醸造所GRAPE SHIPを建てるにあたり、私たちにはある願いがありました。それは木製の材料を主軸にすえた建物にすること。瀬戸内の太陽、船穂の大地の恩恵から生まれるぶどう。そのぶどうから醸すワインは、無機質な建物ではなく、温かみを感じる木に囲まれた場所で、なんとしても作りたかったのです。外壁にもある想いを込めています。自然の息吹が聞こえてくるこの土地にずっと暮らしていくからこそ、醸造所を山々のなかに溶け込ませたい。周囲の素晴らしい景観をそこなわない外観にすべく、ニ色の木材をランダムに散りばめました。ここは私たちの出発の地でもあると同時に、これから長きに渡り素晴らしいワインを世に送り出すための、かけがけえのない場所。唯一無二、代わる場所はありません。だからこそ、核となる醸造所は船穂という土地に寄り添うものを目指しました。
またワイン作りのために、建物には中ニ階を設置しました。私たちには、ぶどうが持つ「素」の魅力と味わいを大切にしたいという信念があります。そのためにワインを移動させる際に、ポンプを使わずに重力を使う方法「グラビティー・フロー」を行えるようにしたのです。「グラビティ・フロー」は、ポンプに比べると移動の際の衝撃が少なく、負荷をあたえないのが特徴です。だからこそ、ぶどう本来の味を引き出すことができるのです。
そんな願いを細やかに汲み取ってくれたのは、倉敷市児島にある建設会社、藤原建設さんでした。実は棟梁とは、高校生の頃からの友人です。彼がいなければ、理想を実現することはできませんでした。感謝してもしきれません。普段はなかなか面と向かってお礼を言えませんが、彼と巡り会えたことは、人生最高の出会いだったと思っています。
今まで私たちを応援してくれる人達がいたからこそ、新たなる航海へと旅立つことができました。周囲への感謝の気持ちを決して忘れないように、ぶどうとワイン作りに真摯に向き合っていきたいと思います。美味しいぶどうとワインを作り続けること、届け続けること。それが何よりの恩返しだと信じています。